はなこみちの職員育成について
はなこみちの職員(直接処遇職員)のキャリアパス
はなこみちにおける直接処遇職員のキャリアパス(はなこみちの中でキャリアを積み重ねていくために必要な過程や道筋)を紹介します。
1年目

- 一般社会人としての礼節(身だしなみやマナー、接遇等)を身に着ける。
- 所属棟での直接・間接処遇業務がひととおり一人でこなせる:所属棟にいる児童の基本的な情報(生い立ちや特性など)について把握している/処遇に必要な施設内・棟内の約束事とその理由について把握している。
- 児童の安全を確保する行動がとれる:勤務ユニット内の児童の動静(今どこでなにをしているのか)の把握に努め、児童の安全が脅かされる事態が発生した時に、児童の安全を守るための方策を取ることが出来る。
- 施設内の児童の各担当者(専門職含む)と円滑に連携を取ることができる(報連相が出来る):自分を含めた施設内の職員それぞれの役割分担(誰が何の担当者なのか)を理解し、施設内での連携・調整が取れる。
- 自分(と担当児童)のスケジュール管理が出来る:漏れがなく外部や内部(事務所等)への提出物やスケジュールを遂行することが出来る。
2年目

- 自身の所属棟のみでなく、施設入所児童全体の関係性を把握できている:施設入所児童全員の基本的情報を理解し、それぞれの特性・関係性について把握している。
- 児童の安全を守るためにリスクヘッジをすることが出来る:施設内で起こりうる事故等についての知識を持ち、それを未然に防ぐためにどのようなリスクヘッジをしたらよいかを考えて行動することが出来る。
- 子どもの権利擁護のための行動を取ることが出来る:子どもの権利や、子どもの最善の利益とは何であるかを理解し、子どもの権利侵害となる行動(不適切な養育)が何であるかについて知っている。
3年目

- 処遇困難児童のトラブルについて、介入することが出来る:処遇困難児童のトラブルについて、その場で声掛けするなどして介入し、その場をおさめ、トラブルの解決に導ける職員に取り次ぐなどの対応が取れる。
- 児童の特性に応じた事故のリスクヘッジをすることが出来る:それぞれの児童の特性や背景に応じて起こりうる事故や危険について予測し、それを防ぐためのリスクヘッジをすることが出来る。
- 児童相談所や学校などの外部対応・外部調整が問題なく行える:外部のそれぞれの機関の役割分担について理解し、連携がとれる。
4・5年目以上

- 処遇困難児童のトラブルについて、解決することが出来る:処遇困難児童のトラブルについて、児童を落ち着かせ、トラブルの解決まで導くことが出来る。
- 児童のひととおりの進路支援(進学・退所など)が出来る:進路に関わる事柄(高校受験のプロセス、特別支援教育に関する事柄、障碍者手帳について、退所までの流れとその手続き、施設退所児童への支援など)についての知識を持ち、それに基づいた支援が出来る。また、児童の自立を支える資源の発掘に努める。
- チームの中で、後輩職員のサポートが出来る:後輩職員の困り感に気が付いて声を掛けたり相談に乗ることができ、後輩職員自身が自分でその壁を乗り越えるためのサポートをすることが出来る。また、そのことについて適切に報連相することができる。
棟リーダー

- 児童の養育上のアドバイスが行える:棟内児童の理解やその支援の仕方について、棟職員にアドバイスをすることができる。
- トラブル対応(対外的トラブル含む)が出来る:事故などのトラブルが発生した時にはそれをマネジメントし、適切な指示を出しながら解決まで導くことが出来る。
- 棟職員のマネジメントが行える:孤立や抱え込みなど、チームアプローチを損なう要件について理解したうえで、棟内全体を把握し、タスク・スケジュール管理、勤務調整を含む職員のマネジメントが行える。また、棟内職員の現状を把握し、適切に評価しつつ改善すべき点については改善に向けた支援を行うことが出来る。棟の運営に改善すべき点があるかを自己点検し、改善すべき点が見つかった時にはそれに対して取り組んでいくことが出来る。
- 棟内児童のマネジメントが行える:棟内児童の現状の把握に努め、全ての児童が偏りなくそれぞれの最善の利益を享受することを目指した棟運営が行える。
はなこみちの研修体系
はなこみちで実施している職員育成のための研修の内容をご紹介します。
入職前研修(3月):児童養護施設、はなこみちで働く前の準備研修
社会福祉法人彩の国ふかや福祉会 について |
彩の国ふかや福祉会創立の経緯/はなこみちの歴史/経営理念/定款の内容(概要)/入所状況/組織体制/係について/埼児研と埼児協について/地域とのつながり(民生委員、自治会、児童委員など)について |
はなこみちとして働くための知識(社会人としてのふるまいを含む) | ビジネスマナー/服務に関すること/ネットワークと個人情報保護について |
”児童養護施設”について | 制度と歴史/新養育ビジョン/現状と課題について/措置費の仕組みについて |
はなこみちの日常について | こども達の1日の生活の流れ(処遇マニュアルも参照)/服薬管理について/はなこみちの社会的資源について(かかりつけの病院や警察との連携など) |
入職後研修(4月以降)
1.児童養護施設入所児童について学ぶ
児童養護施設の子どもたちについて(概論) | 社会的養護の子どもたちの特徴と起こりがちなよくあるトラブル/社会的養護の子どもたちと関わっていくための心構え |
虐待が児童に及ぼす影響について | 虐待が児童に及ぼす心理・身体的な影響について/DVが児童に及ぼす影響について |
知的障害・発達障害について | 注意欠陥・多動性障害、自閉症スペクトラム、学習障害、知的障害、それぞれの特性の理解について |
愛着について | 健康な愛着とは/愛着障害について/愛着障害の支援について |
トラウマ関連障害について | PTSDについて/C-PTSDについて/解離について/トラウマインフォームドケアについて |
2.施設で児童を支援するために必要なことについて学ぶ
お金の処理(実務)について | ユニット生活費管理について/物品購入伺いや部活動費請求などのユニット生活費以外のお金の処理について |
子どもの権利について | 子どもの権利条約とは/子どもの権利ノートとは/アドボカシーについて |
施設内事故について | ヒヤリハット・事故について/ヒヤリハットや事故の際の処理について/被措置児童等虐待について |
児童の支援方針会議について | ケースワークとは/ケースカンファレンスとは(目的、流れ、約束等)/アセスメントとは/ジェノグラムについて |
保健衛生係から | アレルギー、食中毒、感染症、熱中症、気管支炎(喘息含む)についての知識(対応を含む) |
防災係から | 毎月の防災訓練/消火器の場所と使い方/火災報知器の扱い方/ブレーカーの復旧の仕方/火災の通報の仕方 |
生と性の研究活動係から | 児童養護施設で性教育が何故必要なのか/境界線とは/施設児童の支援の上で気をつけなければならない生(性)の支援のポイント |
市内周回 | はなこみち周辺の関係施設を公用車でまわる(小・中学校、幼稚園、市役所、郵便局、駅、かかりつけ医、警察など) |
3.多職種連携のために他の職種とその業務について学ぶ
施設心理士について | 施設心理士の業務内容について/施設内における心理士の心理的支援について |
家庭支援専門相談員(FSW) について |
家庭支援専門相談員(FSW)の業務内容について/自立支援計画をもとにしたPDCAサイクルについて |
里親支援専門相談員について | 里親支援専門相談員の業務内容/里親制度について |
厨房について | 栄養士と調理師の業務内容/日々の食事提供に関する施設内での決まりについて/調理実習 |
児童相談所について | ケースワーカーの仕事について/児童措置の流れ/28条とは/一時保護について/県内の児童相談所について:一時保護所がある児童相談所とない児童相談所、県の児童相談所とさいたま市の児童相談所の違い、など |
学校について | 通常学級と特別支援学級について/弾力的運用・通級について/特別支援学校について/療育手帳について/学校との連携について/学年ごとの約束事について/幼稚園について/教育委員会について |